外見上ある症状を抱えている子がいる。
それは誰が見ても明らかに他の子と違うのがわかる。
彼の外見上のそれは昨年の秋、突然発症した。
最初、周りの子たちは動揺したが今ではすっかりそのことになれている。
でも、彼はそのことに苦しみ苦しみそのことから逃げ続けた。
そんな彼のクラスメイトの何人かは彼に言う。
「おまえのその辛い気持ちわかるよ。」と。
そして1年が過ぎ、彼は今までの思いを吐露しだした。
「俺の気持ちなんかわかるわけはない。わかるって言うんなら俺と同じような外見になってみろ!でも、できるわけがねえ!「おまえの気持ちがわかる」っていう奴のその言葉を聞く度に俺は嫌な気持ちになる!その言葉もう聞きたくない!」
「かえって「おまえの気持ちはわからん。」って言ってくれた方がいい。」
相手にとって聞こえのいい言葉はかえって相手を傷つけてしまうのかと今さらながら思った。
「あんたの気持ちはわからんよ。でも、少しでもわかりたいと私は思っている。」
その言葉を伝えるのが精いっぱいだった・・・。